左から渡辺社長、CHERRYさん
※CHERRYさんは、ひょうごSDGs Hub主催の「持続可能な兵庫をつくる学生ワークショップ」に参加、早駒運輸を見学・取材した際、企業の取り組みに共感して、入社を熱望、今に至った。
1885年に創業して以来、神戸港で港湾サービスを提供してきた早駒運輸株式会社。現在は「港湾の早駒から神戸の早駒へ」と、港湾サービスだけでなく観光船事業にも力を入れ、神戸の持続的で魅力的なまちづくり・文化づくりに貢献してきた。そんな神戸の発展に寄与し続けている同社の代表取締役社長 渡辺様に、その取り組みと秘訣についてお聞きした。
「早駒運輸さんっていつもSDGsの取り組みのようなことやっていますね」
3~4年前に、所属している経済団体の方から「早駒運輸さんっていつもSDGsの取り組みのようなことやっていますね」というお話をいただきました。それまでは特に意識してSDGsへの取り組みをしていたわけではなく、会社としての方針にも掲げてもいませんでしたが、そのお話からSDGsについて興味を持ち、調べていくと、「確かにうちのやっていることの多くがSDGsに当てはまるなぁ」と感じました。
思い返せば1885年に創業し今年で139年目の会社ですが、各時代で神戸のまち・文化のためにサステナビリティに貢献する活動をやり続けている感じがします。
CHERRYさんは、純粋にこの活動を肌で感じ、この会社で一緒に働きたいと言ってくれたんだと思います。
神戸港の礎を築いた湊川隧道、5年にわたる「隧-ZUI-」プロジェクトの始動
その神戸の文化の発展のために行う特徴的な活動として、神戸の会下山を貫く近代化産業遺産・湊川隧道で貯蔵・熟成し完成した日本酒「隧-ZUI-」の開発プロジェクトがあります。我々が長きにわたり事業基盤を築いてきたこの神戸港はこの隧道のおかげで現在の姿があると言っても過言ではありません。
このプロジェクトは、株式会社神戸酒心館の安福社長に声をかけて協働で実現しました。本来は神戸港開港150年を記念する1年間限定の取り組みで、かつ湊川隧道保存友の会を含む3者で行っておりましたが、歴史的遺産である湊川隧道の保存・活用の観点から兵庫県も参画したいという話をいただき、令和2年度からの5カ年計画で早駒運輸・神戸酒心館・兵庫県・湊川隧道保存友の会の4者が連携・協働して「隧-ZUI-」の開発を行うようになりました。今年で5年目を迎える「隧-ZUI-」は10月に今年分の蔵出しを迎え、1年目より5年の月日をかけて長期貯蔵を行っている一升瓶も初お披露目となる予定です。人を守り、ミナトを守り続けた「隧(みち)」のサステナブルな日本酒をぜひ楽しんでもらいたい思いでいっぱいです。
このような様々な取り組みから神戸の港づくり・まちづくりへの貢献を評価いただき、「みなとづくりマイスター」の認定もいただきました。
https://www.facebook.com/kobeseabus/posts/pfbid02LBSgNsQvgwh4pyp42X9JgTfoeh6C5G2K2HzLim4xE5p5aa6wDWYZSc6LiL1XadjHl
年間で限定3,000本での蔵出し
連携・協働のポイントは「自分たちの芯をぶらさないこと」
連携・協働してSDGsへの取り組みを行う際は、真ん中でわれわれは何のためにやるのかという”芯”をぶらさないことを重視しています。「出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない」という考えを大事に、信念を強く持ち、そこに共感していただいた仲間と一緒に取り組みを行っています。しっかりと自分たちの信念を発信したうえで連携・協働を行っているからこそ、共感度の高い良いご縁にめぐまれており、様々な活動がうまくいっていると思っています。
ウォーターフロントから神戸をウェルネスな街に
今後は「ウォーターフロントから神戸をウェルネスな街に」という信念を掲げ、ぶらさず、その想いに賛同・協働してくれる様々な企業・団体とともに「神戸をミナトから元気なまちにする」取り組みを続けていきたいと思っています。
関連リンク:早駒運輸株式会社(https://www.hayakoma.com/)
※協力:兵庫部会 ひょうごSDGs Hub