左から西田さん、吉田さん
2020年4月にCSR推進部(現サステナビリティ推進部)が発足し、これまでのグループにおける地域での取り組みをサステナビリティ軸で捉えなおすところから活動を開始。
絆づくりから、地域の活性化を推進する社会実験プロジェクトまで、活動の幅が大きく広がっている。参画団体が多岐にわたる地域共創活動において大切な意識やポイントをお聞きした。
自社が主役になるのではなく、地域の「絆」を深める活動を
(吉田)
2020年4月に専門部署が設置され、4年かかってやっと活動が大きな形になってきたところです。企業として元々やってきたことをサステナビリティ軸で意味付けし直し、5つのテーマを設定して、推進しています。そのうちの1つが“地域の「絆」を深める”です。自分たちが主役、主体になるのではなく、自分たちがいることで地域の方々同士の絆が深まることを意識しています。例えばH2Oリテイリンググループのイズミヤ店舗のある商店街で壁面アートを作成するときや、店舗先で花壇を作る際に、地域の住民や近隣のお店の方と一緒になって考える場を持つことで、地域同士の絆が深まるような工夫をしています。
また、複数の団体で何かを実行する際には実行委員会やプロジェクトの形式が良いと考えています。主体が企業になると、その取り組みに入りづらい企業が出てきます。自社でやれることは限定的なので、出来るだけ多くの団体に動いてもらえることを意識しています。
(西田)
その他、普段から自分たちの活動については外部からのフィードバックをもらいながらアップデートしていくことや、うまくいった仕組みは自社に閉じないことを意識しています。
出典)H2Oリテイリング社内資料
「〇〇をやりましょう」ではない起点づくりが共創活動のポイント
(吉田)
共創の際には複数の団体が参加するので、それぞれに「違い」があることを意識する必要があると考えています。イベントひとつとっても各団体での受け止め方や解釈が異なるため、自社の思いが他の団体にとって押しつけにならないように気を付けています。
一方で、自社だけだとどうしても全ての活動の目的が狭義になってしまいがちですが、実行委員会やプロジェクト形式とすることでより大きな目的を持って活動できることに意義を感じています。
(西田)
他の団体との共創を始めるときには、「〇〇をやりましょう」が起点にならないようにしています。利害関係がすぐに一致すれば進行は早いのですが、やることが決まってしまっていると、やれなければそこで終わってしまいます。SDGsに関する社会課題への取り組みは1社では解決できず、共創できるポイントを探す必要があり、簡単に答えが出ないからこそ、各社で制約なしに話が出来る関係性を構築することが重要になります。時間はかかりますが、丁寧に進めていきたいと思っています。
社会実験プロジェクト「Tsugu.」の実施
(西田)
地域にはいろいろな良い事業や活動があるけれど、それがバラバラで動くのはもったいない。地域に根ざしているH2Oさんがそれをつないでくれたら嬉しい、という話を受けて川西市や宝塚エリアでH2Oリテイリングが前面に出ないかたちで「Tsugu.」という社会実験プロジェクトを立ち上げ実施しています。すでに地域で活動している方々やその活動を周りにつないでいくことが、我々が目指す地域の絆を深めることにもつながると考えていて、ゆくゆくはその中心が分からなくなることが理想です。参画いただいている団体の方々にはぜひ「自分たちの活動」と言ってもらえるように、今後の取り組みを進めていきたいと思っています。KSPネットワーク加盟の団体とつながれば、もっと大きな、もっと違うことが出来るのではと思うと、大変楽しみです。
※協力:教育分科会「SDGsナレッジラボ」